解糖系とLDH、疲れやすい理由
ブログ
2021.01.07
こんにちは。
山形県鶴岡市の
「女性とこどもの整体院 のびやか」です。
前回は、
エネルギー通貨ATPを作るための3つの方法
〇細胞質の解糖系
〇ミトコンドリアマトリックスのTCA回路
〇ミトコンドリア内膜の電子伝達系
をざっくり紹介しました。

最後には
>ATPをたくさん作って、
>細胞の生命活動を行うためには、
>栄養と酸素が大切
と書きました。
今日は
「〇細胞質の解糖系
で必要な栄養素」
について詳しく紹介します。
解糖系は、血液中にある
グルコース(=ブドウ糖、血糖)が、
細胞に入るところから始まります。
グルコース→ピルビン酸では、
酸素を使いません。
解糖系は、酸素がない環境でも
手っ取り早くエネルギーを
引き出す方法です。
昨日は
「ピルビン酸は
ミトコンドリアマトリックスへ行く」
と書きましたが、
細胞に酸素がない場合、
ピルビン酸には別の代謝経路があります。
酸素のない状態では、
ピルビン酸はミトコンドリアに入らず、
乳酸になります。
筋肉を使って疲れた時に言う
「乳酸たまった~」
です。

筋肉でたまった乳酸は、
血液に乗って肝臓に運ばれます。
そのあと、
肝臓でもう一度グルコースになり、
エネルギーとして使われる仕組みがあります。
乳酸=悪者、のイメージありますが、
エネルギーにもなる大切な存在です。

この代謝経路を「コリ回路」と言います。
名前の由来は、
代謝経路を発見したのが
コリ夫妻という二人の博士だから。
筋肉でのピルビン酸→乳酸
肝臓での乳酸→ピルビン酸
の時に必要な酵素が、
血液検査の項目のひとつ、
乳酸脱水素酵素(LDH)です。
LDHの時の補酵素は
ナイアシン
別名はビタミンB3、
ビタミンB群の一員です。
LDHの医療での基準値は
120-240U/Lと幅広いですが、
分子栄養学的な理想値
(病気がなくて、栄養が満たされている状態)
は、180です。
LDHが低い場合、理由として
〇たんぱく質不足
(酵素=たんぱく質だから)
〇ナイアシン不足
あたりを想像します。
ビタミンB1以外のB群は、
食事由来だけでなく、腸内細菌も作ります。
ナイアシンが足りないってことは、
腸内環境も良くなさそう。
ナイアシン以外のB群全体も
足りてなさそう。
たんぱく質とB群不足、
腸内環境悪そう、
という想像から、
からだ凝ってそう
とか、
疲れやすい、
疲れが取れない
というイメージが浮かびます。
あと、乳酸をエネルギーに変換できないので、
低血糖になりやすい。
食事の前の時間帯にイライラしたり、
夜間低血糖で夜中に目が覚めたり。
肩こりや疲れの原因は、
貧血(鉄不足)とか、
思考のくせなどもあるので、
たんぱく不足やB群不足は、
原因のひとつ、と思ってください。
解糖系の流れと、
LDHという項目一つで、
たんぱく質不足や
B群不足、
腸内環境、
低血糖
など、
栄養の過不足がいろいろわかるよ
というお話でした。