パントテン酸(B5)は「●●CoA」の材料
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2021.06.02
こんにちは。
山形県鶴岡市の
「女性とこどもの整体院 のびやか」です。
今日はビタミンB5。
パントテン酸と呼ばれることが多いです。
パントテン酸の語源はギリシア語で、
pantothen=どこにでもある
その名の通り、
いろんな食品に含まれている栄養素
ではあります。
欠乏症の症状は
副腎の機能障害、
皮膚炎、末梢神経の障害、
頭痛、成長停止、体重減少。
ちなみに、
パントテン酸の前駆体
「パンテノール」入りのシャンプーが
パンテーンです。
CMで言われてる「プロビタミンB5」は、
パンテノールのこと。
含有量が多い食品は
鶏レバー、ささみ、子持ちカレイ、納豆、アボカドなど。
これも腸内細菌が作ってくれるので、
やはり腸は大切。
小腸で吸収されたパントテン酸は
血中から細胞に移動します。
細胞内で、パントテン酸は
補酵素A(CoA)と呼ばれる分子になります。
ちなみに、パントテン酸→CoAの反応には、
補酵素としてマグネシウムが必要です。
CoAは他の分子とくっついて、
「〇〇CoA」と呼ばれる形になったり、
あと、
140種類以上の酵素の補酵素
として働いています。
その中で分子栄養学で重要なものを
ピックアップします。
TCA回路
このブログでもよく出てくる
エネルギー合成のための代謝
「TCA回路」
山手線のような回路の出発点が
アセチルCoAです。
イラストは糖質代謝ですけど、
たんぱく質(アミノ酸)や脂肪が
エネルギーになる時も、
アセチルCoAになってから、TCA回路に入ります。
なので、
アセチルCoAは、エネルギー代謝の交差点に位置する
と言われています。

TCA回路の右下にあるのがスクシニルCoA
これはαケトグルタル酸とCoAの化合物です。
メバロン酸経路
アセチルCoAはコレステロールの材料にもなります。
アセチルCoA
↓ ★
HMG-CoA
↓
メバロン酸
↓
コレステロール
★の部分の酵素が
「HMG-CoAレダクターゼ」
この酵素の働きを阻害して、
コレステロール値を下げる薬が「スタチン」
高脂血症の患者さんに処方される薬です。
「コレステロールにつながるなら、
アセチルCoAも、パントテン酸も悪者じゃん!」
ではないですよ。
コレステロール自体は体に必要な物質です。
副腎でのホルモン合成
副腎はパントテン酸の濃度が高い臓器です。
それだけ需要がある、ってことです。
パントテン酸は
ストレスホルモン「コルチゾール」
の合成に関わります。
ストレスの多い状況が続くと、
パントテン酸もたくさん消費されます。
まとめると、
パントテン酸は
〇エネルギー合成
〇コレステロール合成
〇ストレス対応
目立たないけど、重要なビタミンです。