ビオチン(B7)と皮膚トラブル
ブログ
2021.08.05
こんにちは。
山形県鶴岡市の
「女性とこどもの整体院 のびやか」です。
ビオチン、
分子栄養学を学んでから初めて知った単語でした。
アトピーや掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を
ネットで調べた方ですと
「ビオチン療法」
で聞いたことがあるかもしれません。
ビオチンは「ビタミンB7」なので、B群の仲間です。
糖新生
アミノ酸代謝
脂質代謝
と、エネルギー合成にも体づくりにも関わります。
「ポケットアトラス栄養学」によると
ラットに生の卵白を大量投与すると、
皮膚病変や脱毛症が起こった、とのこと。
生卵白にある「アビジン」という糖たんぱくと、
4倍の量のビオチンが結合
→この複合体は酵素で分解されない
→ビオチンが体内に吸収されない
→ビオチン不足になる
という仕組みらしいです。
ヒトでも試験をしたそうで、
卵白の投与を始めてから4週間後に
皮膚発疹、皮膚炎、口角炎を発症、
10週間後には
抑うつ症など心理的症状、筋痛、感覚異常が起こった、と。
「なにか一つの栄養素が足らなくなると、
全身の代謝が止まってしまうんだなあ」
とよくわかる例だと思います。
アトピーと掌蹠膿疱症、
ひじょーーにおおざっぱに言うと、
どちらの疾患も免疫機能の暴走です。
免疫細胞と言えば、白血球ですよね。
白血球の一種、リンパ球には
Th1細胞、Th2細胞という細胞があって、
両者のバランスが大切。
体内に炎症があると、
Th2が増える
→Th2のつくる物質(サイトカイン)が、
Th1を抑制する
→Th1/Th2バランスがますますTh2に傾く
という悪循環が起こります。
栄養面では、Th2を増やすのは
ω-6脂肪酸のひとつアラキドン酸。
正確に言うと、
アラキドン酸から作られるPGE2。
「アトピーさんはω-6を減らしてω-3を摂ろう」
の理屈はこれです。
逆にTh2を減らすのがビオチンです。
免疫暴走系の疾患には、
「暴走を止める”手段”」
と
「暴走の”原因究明”」
の両方が必要です。
ビオチン療法で、
当座のTh1/Th2バランスをキープしつつ、
根本原因を探っていく
のが大切だと思います。