ビオチン(B7)と皮膚トラブル

こんにちは。
山形県鶴岡市の
「女性とこどもの整体院 のびやか」です。

ビオチン、
分子栄養学を学んでから初めて知った単語でした。

アトピーや掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)を
ネットで調べた方ですと
「ビオチン療法」
で聞いたことがあるかもしれません。

ビオチンは「ビタミンB7」なので、B群の仲間です。

糖新生
アミノ酸代謝
脂質代謝
と、エネルギー合成にも体づくりにも関わります。

「ポケットアトラス栄養学」によると
ラットに生の卵白を大量投与すると、
皮膚病変や脱毛症が起こった、とのこと。

生卵白にある「アビジン」という糖たんぱくと、
4倍の量のビオチンが結合
→この複合体は酵素で分解されない
→ビオチンが体内に吸収されない
→ビオチン不足になる

という仕組みらしいです。

ヒトでも試験をしたそうで、
卵白の投与を始めてから4週間後に
皮膚発疹、皮膚炎、口角炎を発症、
10週間後には
抑うつ症など心理的症状、筋痛、感覚異常が起こった、と。

「なにか一つの栄養素が足らなくなると、
全身の代謝が止まってしまうんだなあ」
とよくわかる例だと思います。

アトピーと掌蹠膿疱症、
ひじょーーにおおざっぱに言うと、
どちらの疾患も免疫機能の暴走です。

免疫細胞と言えば、白血球ですよね。

白血球の一種、リンパ球には
Th1細胞、Th2細胞という細胞があって、
両者のバランスが大切。

体内に炎症があると、
Th2が増える
→Th2のつくる物質(サイトカイン)が、
Th1を抑制する
→Th1/Th2バランスがますますTh2に傾く

という悪循環が起こります。

栄養面では、Th2を増やすのは
ω-6脂肪酸のひとつアラキドン酸。
正確に言うと、
アラキドン酸から作られるPGE2。

「アトピーさんはω-6を減らしてω-3を摂ろう」
の理屈はこれです。

逆にTh2を減らすのがビオチンです。

免疫暴走系の疾患には、
「暴走を止める”手段”」

「暴走の”原因究明”」
の両方が必要です。

ビオチン療法で、
当座のTh1/Th2バランスをキープしつつ、
根本原因を探っていく
のが大切だと思います。